Field Note

チョーキング現象とは
外壁の白い粉の原因と確認方法

外壁を手でこすると、手のひらに白い粉が付く。これがチョーキング現象です。見た目がまだきれいでも、塗膜としての役目はほぼ終わっています。原因、自分でできる確認方法、放置するとどうなるかを整理しました。

チョーキング現象とは

外壁の表面を手でこすったときに、チョークの粉のような白い粉が付着する現象です。白亜化(はくあか)とも呼ばれます。粉の正体は、塗料に含まれる顔料です。

塗膜は、色を出す顔料と、それをつなぎ止める樹脂でできています。樹脂が紫外線や雨で分解されていくと、顔料を抱えきれなくなり、表面に浮き出てきます。つまりチョーキングは、塗膜の樹脂が寿命を迎えたという合図です。

色あせと同時に起きることが多く、施主の方からは「なんとなく色が薄くなった気がする」という形でご相談いただくことがよくあります。

チョーキングの確認方法

道具は要りません。晴れた日の、外壁が乾いている状態で行ってください。

  1. 外壁に手のひらを当て、10cmほど横になぞる
  2. 手のひらを見て、白い粉が付いているか確認する
  3. 同じことを、建物の東西南北それぞれの面で行う

確認するときの注意

チョーキングの進行度

粉の付き方で、おおよその段階が分かります。

粉の付き方段階考えられる対応
こすっても
ほとんど付かない
塗膜は生きている他の症状(ひび割れ・シーリング)を確認。経過観察
うっすら白くなる劣化が始まっている1〜3年以内を目安に塗り替えの計画。他の症状と合わせて判断
はっきり粉が付く塗膜の防水性能が低下塗り替えの時期。下地の状態も確認が必要
粉が厚く付く
服にも付く
塗膜がほぼ機能していない外壁材そのものへの影響を確認。下地補修が必要になることも
※ 上表は現場で判断する際の目安です。同じ粉の量でも、外壁材の種類・前回施工の内容・立地によって必要な対応は変わります。最終的な判断は現地で外壁材と下地の状態を確認したうえで行います。

チョーキングが起こる原因

紫外線

最も大きな要因です。塗膜の樹脂は紫外線で分解されます。南面と西面から先に進むのはこのためです。

雨と乾燥の繰り返し

濡れて乾く、を繰り返すことで塗膜が伸縮し、樹脂の結合が緩みます。

塗料のグレードと塗布量

樹脂の耐候性は塗料のグレードで変わります。ただしグレードより、規定の塗布量が守られていたかのほうが効くことがあります。薄く塗れば塗膜は薄くなり、その分早く限界が来ます。前回の塗装から5〜7年でチョーキングが出ている場合、塗布量が足りなかった可能性があります。

下塗り材の選定

外壁材と仕上げ塗料をつなぐ下塗り材が合っていないと、塗膜全体の寿命が短くなります。見積書で下塗り材の商品名まで確認することをおすすめします。

チョーキングを放置するとどうなるか

チョーキングが出たからといって、翌月に雨漏りするわけではありません。ただし、そこから先は段階的に進みます。

  1. 塗膜の防水性能が落ちる。雨水が外壁材に染み込みやすくなります
  2. 外壁材が水を吸う。窯業系サイディングは吸水すると反りや割れが出ます
  3. ひび割れが出る。吸水と乾燥の繰り返しで、外壁材そのものが傷みます
  4. シーリングの劣化と重なる。目地から水が入る経路ができます
  5. 下地に到達する。ここまで来ると、塗装だけでは済まなくなります

塗装の費用より、下地補修の費用のほうが読めません

塗装は面積を測れば金額が出ます。しかし下地まで傷んでいる場合、開けてみるまで範囲が分かりません。チョーキングの段階で手を入れるのが、結果として費用を抑える判断になります。費用・料金の目安はこちら

チョーキングが出ている外壁の塗装で必要なこと

チョーキングが出た状態のまま塗料を重ねると、粉の上に塗ることになり、密着しません。数年で剥がれます。次の工程が必要です。

高圧洗浄

表面の粉、コケ、汚れを落とします。洗浄後は十分に乾燥させてから次の工程に進みます。乾燥が足りないまま塗ると、内部に水分を閉じ込めることになります。

下塗り材の選定

チョーキングが激しい場合、外壁が塗料を吸い込みやすくなっています。浸透性の下塗り材(シーラー)を使い、吸い込みが強ければ2回塗ることもあります。ここを省くと、上塗りの塗料が吸い込まれて膜厚が確保できません。

規定の塗布量の確保

下塗り・中塗り・上塗りの3工程で、それぞれ規定量を塗ります。当社は見積書に塗料のメーカー名・商品名・塗装回数・下塗り材の種類を記載します。

よくある質問

チョーキングが出たらすぐ塗装しないとだめですか?

すぐに雨漏りするわけではありません。ただしチョーキングは塗膜の防水性能が落ちているサインなので、そこから数年かけてひび割れやシーリングの劣化が進みます。他の症状と合わせて確認し、1〜3年以内を目安に計画を立てるのが現実的です。

白い粉が出ていなければ塗装しなくていいですか?

チョーキングは判断材料の一つに過ぎません。ひび割れ、シーリングの痩せ、コケや藻、塗膜の膨れや剥がれも確認が必要です。また、クリヤー塗装や一部の外壁材ではチョーキングが出にくいこともあります。

チョーキングは自分で落とせますか?

洗えば一時的に粉は落ちますが、塗膜の劣化そのものは戻りません。また、高圧洗浄機を素人が扱うと塗膜を余計に傷めたり、シーリングの隙間から水を入れてしまうことがあります。

北側だけ白い粉が出ているのはなぜですか?

面によって日射量が違うため、劣化の進み方に差が出ます。南面・西面は紫外線で塗膜の分解が進みやすく、北面は湿気が残りやすいためコケや藻が出やすい傾向があります。一面だけ見て判断せず、四面すべてを確認します。

チョーキングが出ている外壁の塗装費用はいくらですか?

チョーキングの有無で単価が大きく変わるわけではありません。外壁塗装(シリコン・3回塗り)で㎡1,600〜2,100円が名古屋市周辺の相場の目安です(税抜)。ただしチョーキングが激しい場合は、下塗り材の選定と塗布量の調整が必要になります。

写真でもある程度は分かります

外壁の全景と、気になる箇所の近景を送っていただければ、色あせの進み方やひび割れの有無から、確認すべきポイントを整理してお返しします。チョーキングそのものは手で触らないと分かりませんが、他の症状と合わせて見れば、おおよその段階は判断できます。

白い粉が出ていたら。

工事をするか決めていない段階でも構いません。見るべき箇所と、いつ頃までに手を入れるべきかを整理してお伝えします。

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