チョーキング現象とは
外壁の表面を手でこすったときに、チョークの粉のような白い粉が付着する現象です。白亜化(はくあか)とも呼ばれます。粉の正体は、塗料に含まれる顔料です。
塗膜は、色を出す顔料と、それをつなぎ止める樹脂でできています。樹脂が紫外線や雨で分解されていくと、顔料を抱えきれなくなり、表面に浮き出てきます。つまりチョーキングは、塗膜の樹脂が寿命を迎えたという合図です。
色あせと同時に起きることが多く、施主の方からは「なんとなく色が薄くなった気がする」という形でご相談いただくことがよくあります。
チョーキングの確認方法
道具は要りません。晴れた日の、外壁が乾いている状態で行ってください。
- 外壁に手のひらを当て、10cmほど横になぞる
- 手のひらを見て、白い粉が付いているか確認する
- 同じことを、建物の東西南北それぞれの面で行う
確認するときの注意
- 雨上がりは避ける。濡れていると粉が流れていて、付かないことがあります
- 一面だけで判断しない。南面・西面は紫外線で先に進み、北面は遅れます
- 手の届く高さだけを見ない。2階は1階より紫外線を受けています
- 濃い色の外壁は粉が目立ちやすく、白系は分かりにくい傾向があります
チョーキングの進行度
粉の付き方で、おおよその段階が分かります。
| 粉の付き方 | 段階 | 考えられる対応 |
|---|---|---|
| こすっても ほとんど付かない | 塗膜は生きている | 他の症状(ひび割れ・シーリング)を確認。経過観察 |
| うっすら白くなる | 劣化が始まっている | 1〜3年以内を目安に塗り替えの計画。他の症状と合わせて判断 |
| はっきり粉が付く | 塗膜の防水性能が低下 | 塗り替えの時期。下地の状態も確認が必要 |
| 粉が厚く付く 服にも付く | 塗膜がほぼ機能していない | 外壁材そのものへの影響を確認。下地補修が必要になることも |
チョーキングが起こる原因
紫外線
最も大きな要因です。塗膜の樹脂は紫外線で分解されます。南面と西面から先に進むのはこのためです。
雨と乾燥の繰り返し
濡れて乾く、を繰り返すことで塗膜が伸縮し、樹脂の結合が緩みます。
塗料のグレードと塗布量
樹脂の耐候性は塗料のグレードで変わります。ただしグレードより、規定の塗布量が守られていたかのほうが効くことがあります。薄く塗れば塗膜は薄くなり、その分早く限界が来ます。前回の塗装から5〜7年でチョーキングが出ている場合、塗布量が足りなかった可能性があります。
下塗り材の選定
外壁材と仕上げ塗料をつなぐ下塗り材が合っていないと、塗膜全体の寿命が短くなります。見積書で下塗り材の商品名まで確認することをおすすめします。
チョーキングを放置するとどうなるか
チョーキングが出たからといって、翌月に雨漏りするわけではありません。ただし、そこから先は段階的に進みます。
- 塗膜の防水性能が落ちる。雨水が外壁材に染み込みやすくなります
- 外壁材が水を吸う。窯業系サイディングは吸水すると反りや割れが出ます
- ひび割れが出る。吸水と乾燥の繰り返しで、外壁材そのものが傷みます
- シーリングの劣化と重なる。目地から水が入る経路ができます
- 下地に到達する。ここまで来ると、塗装だけでは済まなくなります
塗装の費用より、下地補修の費用のほうが読めません
塗装は面積を測れば金額が出ます。しかし下地まで傷んでいる場合、開けてみるまで範囲が分かりません。チョーキングの段階で手を入れるのが、結果として費用を抑える判断になります。費用・料金の目安はこちら
チョーキングが出ている外壁の塗装で必要なこと
チョーキングが出た状態のまま塗料を重ねると、粉の上に塗ることになり、密着しません。数年で剥がれます。次の工程が必要です。
高圧洗浄
表面の粉、コケ、汚れを落とします。洗浄後は十分に乾燥させてから次の工程に進みます。乾燥が足りないまま塗ると、内部に水分を閉じ込めることになります。
下塗り材の選定
チョーキングが激しい場合、外壁が塗料を吸い込みやすくなっています。浸透性の下塗り材(シーラー)を使い、吸い込みが強ければ2回塗ることもあります。ここを省くと、上塗りの塗料が吸い込まれて膜厚が確保できません。
規定の塗布量の確保
下塗り・中塗り・上塗りの3工程で、それぞれ規定量を塗ります。当社は見積書に塗料のメーカー名・商品名・塗装回数・下塗り材の種類を記載します。
よくある質問
チョーキングが出たらすぐ塗装しないとだめですか?
すぐに雨漏りするわけではありません。ただしチョーキングは塗膜の防水性能が落ちているサインなので、そこから数年かけてひび割れやシーリングの劣化が進みます。他の症状と合わせて確認し、1〜3年以内を目安に計画を立てるのが現実的です。
白い粉が出ていなければ塗装しなくていいですか?
チョーキングは判断材料の一つに過ぎません。ひび割れ、シーリングの痩せ、コケや藻、塗膜の膨れや剥がれも確認が必要です。また、クリヤー塗装や一部の外壁材ではチョーキングが出にくいこともあります。
チョーキングは自分で落とせますか?
洗えば一時的に粉は落ちますが、塗膜の劣化そのものは戻りません。また、高圧洗浄機を素人が扱うと塗膜を余計に傷めたり、シーリングの隙間から水を入れてしまうことがあります。
北側だけ白い粉が出ているのはなぜですか?
面によって日射量が違うため、劣化の進み方に差が出ます。南面・西面は紫外線で塗膜の分解が進みやすく、北面は湿気が残りやすいためコケや藻が出やすい傾向があります。一面だけ見て判断せず、四面すべてを確認します。
チョーキングが出ている外壁の塗装費用はいくらですか?
チョーキングの有無で単価が大きく変わるわけではありません。外壁塗装(シリコン・3回塗り)で㎡1,600〜2,100円が名古屋市周辺の相場の目安です(税抜)。ただしチョーキングが激しい場合は、下塗り材の選定と塗布量の調整が必要になります。
写真でもある程度は分かります
外壁の全景と、気になる箇所の近景を送っていただければ、色あせの進み方やひび割れの有無から、確認すべきポイントを整理してお返しします。チョーキングそのものは手で触らないと分かりませんが、他の症状と合わせて見れば、おおよその段階は判断できます。