ALCとは
Autoclaved Lightweight aerated Concrete の略で、日本語では軽量気泡コンクリートといいます。セメント、石灰、珪石などを発泡させ、高温高圧で養生した板材です。
- 普通コンクリートの約1/4の重さ
- 内部の気泡により断熱性が高い
- 不燃材で耐火性に優れる
- 吸水性が高い
最後の一点が、塗装で最も重要になります。
水を吸うとどうなるか
- 塗膜が劣化して、ALCが水を吸う
- 気泡の内部まで水が入る
- 冬季、内部の水が凍って膨張する(凍害)
- 表面が剥離する、ボロボロと崩れる
- 内部の鉄筋(補強筋)が錆びる
- 錆の膨張でさらに割れが進む
ALCで最も避けたいこと
ALCは塗装が防水層そのものです。サイディングのように「板自体がある程度水を弾く」という前提がありません。塗り替えを先延ばしにすると、外壁材の交換という話になります。
下塗り材の選定が重要
ALCは塗料を非常によく吸い込みます。通常のシーラーを1回塗っただけでは吸い込みが止まらず、上塗りが壁に吸われて膜厚が確保できません。
- 浸透性の高いシーラーを使う
- 吸い込みが激しければ2回塗る
- 下地の状態によっては、微弾性フィラーで厚みを付ける
- メーカーがALC向けに指定している下塗り材を使う
見積書で下塗り材の商品名と回数を確認してください。ALCで下塗り1回の見積りが出てきたら、その根拠を聞く価値があります。
目地の扱い
ALCは600mm前後の幅の板を並べて施工します。板と板の間には必ず目地があり、シーリングが充填されています。
サイディングと同様、この目地のシーリングが先に劣化します。切れると板の小口(切断面)から水を吸います。ALCの小口は特に吸水しやすいため、目地の管理はサイディング以上に重要です。
弾性塗料という選択
ALCはひび割れが出やすい外壁材でもあります。追従性のある弾性塗料を使うという考え方があります。
ただし弾性塗料には注意点があります。日射で温度が上がると膨れることがあり、特に濃い色や、日当たりの強い面では起きやすい。どちらを優先するかは、現地の条件を見て判断します。
現地で確認すること
- 表面に触って、粉が付くか(チョーキング)
- 板の表面が欠けている、ボロボロになっている箇所
- 目地のシーリングの状態
- 小口が見える端部の状態
- 過去の塗装履歴(弾性塗料が使われているか)
ALCは塗り替え周期を守る価値が大きい
サイディングであれば、多少遅れても板そのものはすぐには傷みません。ALCは塗膜が切れた時点から、外壁材が水を吸い始めます。周期を守ることが、そのまま建物を守ることになります。
よくある質問
ALCかどうか自分で分かりますか?
板の継ぎ目が縦横に規則的に入っていて、表面に細かい気泡の跡がある場合はALCの可能性があります。図面があれば確実です。
ALCの塗り替え周期は?
使用した塗料によりますが、一般に10〜15年が目安とされています。吸水が始まる前に塗り替えるのが原則です。
ボロボロになった部分は補修できますか?
範囲が狭ければ、専用の補修材で成形できます。広範囲・深い場合は板の交換になります。