0.3mmという目安
ひび割れの補修が必要かどうかの目安として、幅0.3mmという数値がよく使われます。
これより細いものはヘアクラックと呼ばれ、塗膜の収縮やモルタルの乾燥収縮によるものが多く、下塗り材(微弾性フィラーなど)で埋められる範囲とされています。
0.3mmを超えると、雨水が内部へ到達する可能性が出てきます。鉄筋コンクリート造では、内部の鉄筋が錆びる懸念も出てきます。
幅と補修方法
| 幅 | 呼び方 | 補修方法 |
|---|---|---|
| 0.3mm未満 | ヘアクラック | 微弾性フィラーなどの下塗り材で処理 |
| 0.3〜1.0mm | — | Uカットしてシーリングを充填、または樹脂注入 |
| 1.0mm以上 | 構造クラックの疑い | Uカット+シーリング。原因の確認が必要 |
Uカット(Vカット)とは
ひび割れに沿って、電動工具でU字またはV字に溝を切る作業です。溝を作ることでシーリングが入る量を確保し、表面だけでなく内部まで充填できるようにします。
溝を切らずに表面からシーリングを塗っただけでは、薄い膜になるため追従できず、すぐに切れます。
樹脂注入とは
ひび割れに専用の注入器を取り付け、低圧でエポキシ樹脂を内部まで押し込む方法です。躯体の一体性を回復させる目的で行われます。
構造クラックの見分け方
建物の構造に起因するひび割れを構造クラックと呼びます。塗装で対応できる範囲を超えていることがあります。
- 幅が1mmを超えている
- 斜め方向に、長く通っている
- 開口部(窓・ドア)の角から斜めに伸びている
- 内側(室内)にも同じ位置にひびが出ている
- 以前より幅が広がっている
進行しているかどうかを確認する方法
ひび割れの両側にマーキングをして、日付を書いておきます。数か月後に幅を測り直して、広がっていれば進行中です。止まっているなら、補修して塗装で対応できる可能性が高い。
見積書で確認すること
- ひび割れ補修が数量(m)で計上されているか
- Uカットか、表面充填か、樹脂注入か、方法が書かれているか
- 「下地補修一式」でまとめられていないか
下地補修は、開けてみないと範囲が分からない工事です。そのため見積り段階では想定範囲で計上し、実際に増減した場合は着工前にご説明するのが誠実な進め方だと考えています。
ひび割れの写真を撮るときは
ひびの横に定規やコインを置いて撮ってください。大きさの基準が入っていると、写真からでも幅の見当がつきます。1円玉の直径が20mm、厚みが1.5mmです。
よくある質問
ひび割れをコーキングで埋めておけばいいですか?
表面から塗っただけでは追従できず、数年で切れます。また、塗装の際にその部分だけ仕上がりが変わって目立つことがあります。
ひび割れがあると必ず雨漏りしますか?
しません。0.3mm未満のヘアクラックでは、すぐに雨水が内部へ到達することはほとんどありません。ただし放置すれば広がります。
モルタル外壁はひび割れやすいですか?
サイディングに比べると出やすい性質があります。乾燥収縮と建物の動きが表面に直接出るためです。