笠木とは
ベランダやバルコニーの腰壁(手すり壁)の上部に被せてある、金属やモルタルのカバーを笠木といいます。壁の上端に水が入らないよう保護する部材です。
この笠木が、ベランダで最も雨漏りの入口になりやすい部位です。床の防水層と違い、普段まったく目に入りません。
水が入る4つの経路
1. 笠木の継ぎ目
金属笠木は数メートルごとに継いであります。継ぎ目に打ってあるシーリングが切れると、そこから入ります。上向きの面なので、雨が直接当たり、紫外線も強く受けます。
2. 手すりの取り付けビス
笠木の上に手すりが立っている場合、ビスで貫通させて留めてあります。このビス穴の防水処理が切れると、雨水が直接内部へ入ります。手すりの根元に錆が出ていたら、既に水が入っている可能性があります。
3. 笠木と外壁の取り合い
笠木が外壁にぶつかる端部。ここの納まりは現場ごとに差が出やすく、シーリングだけで処理されていることがあります。
4. 笠木の下地の腐食
笠木の下には木下地が入っていることがあります。一度水が入ると乾かず、下地が腐ります。腐った下地はビスを保持できなくなり、笠木が浮いて、さらに水が入るという循環になります。
症状の出かた
| 症状 | 疑う箇所 |
|---|---|
| ベランダ下の軒天が湿る | 笠木の継ぎ目、外壁との取り合い |
| 腰壁の内側(ベランダ側)にシミ | 笠木下の下地の腐食 |
| 室内側の壁が濡れる | 笠木と外壁の取り合い、サッシ上部 |
| 手すりの根元が錆びる | ビス穴の防水処理 |
| 笠木を押すと動く | 下地の腐食が進行 |
対応の選択肢
- シーリングの打ち替え。継ぎ目とビス穴の処理をやり直す。下地が健全な場合の最小限の対応です。
- 笠木の交換。金属笠木を外して、下地を確認したうえで新設する。下地が腐っている場合は交換が必要になります。
- 防水層の立ち上げ。床の防水工事と合わせて、腰壁の立ち上がり部分まで防水層を施工する方法。
床の防水だけ直しても止まらないことがあります
「ベランダから雨漏りしている」というご相談で、床の防水工事だけを行うと、笠木が原因だった場合は止まりません。防水工事をする前に、笠木・手すり・外壁との取り合いを確認する必要があります。
写真で見るときのポイント
ベランダの写真を送っていただく際、床だけでなく腰壁の上(笠木の上面)と、手すりの根元も撮ってください。継ぎ目のシーリングが切れていれば、写真でも分かることがあります。
よくある質問
笠木だけ交換できますか?
できます。ただし外すまで下地の状態が分からないため、交換が必要な範囲は開けてからの判断になります。見積りは想定範囲でお出しし、変わる場合は着工前にご説明します。
笠木の劣化は何年くらいで出ますか?
シーリングは5〜10年で切れてきます。笠木そのものは金属なので長持ちしますが、留め付け部と継ぎ目が先に傷みます。
足場は必要ですか?
2階のベランダで、ベランダ内から作業できる範囲であれば不要なことがあります。外側から手を入れる必要がある場合は足場を組みます。