標準塗布量とは
塗料メーカーは製品ごとに、㎡あたり何kg(または何L)塗るかを定めています。これが標準塗布量です。カタログや製品データシートに記載されています。
この量を守って塗ったときに、想定された膜厚になり、カタログの耐用年数が期待できる、という関係です。回数ではなく、量で決まります。
量が足りなくなる3つの原因
1. 規定以上に薄める
塗料には希釈率が定められています(水性なら水、溶剤なら専用シンナー)。規定より薄めると伸びがよくなり、少ない量で広い面積が塗れます。作業は楽になりますが、膜厚は確保できません。
2. ローラーで伸ばしすぎる
薄めなくても、一度に広く伸ばせば膜は薄くなります。見た目には塗れているように見えるのが厄介なところです。
3. 乾燥時間を守らない
中塗りが乾かないうちに上塗りをすると、下の層が溶けて混ざり、2層あるはずが1層分の膜厚にしかならないことがあります。工期を詰めようとすると起きやすい。
缶数から塗布量を逆算する
発注者側でも、おおよその確認はできます。
計算の考え方
外壁面積 × 標準塗布量(kg/㎡)× 塗り回数 = 必要な塗料の量
たとえば外壁150㎡、標準塗布量0.15kg/㎡、中塗り・上塗りの2回なら、150 × 0.15 × 2 = 45kg。16kg缶なら約3缶です。
見積書に「16kg缶 ×2」と書かれていたら、数が足りません。
※ 標準塗布量は製品によって異なります。実際の数値は、使用する塗料のメーカーサイトや製品データシートでご確認ください。
見積書と現場での確認
- 見積書に塗料の数量(缶数またはkg)が書かれているか
- 外壁面積と塗り回数から、その数量で足りる計算になっているか
- 工事中に、使用した空き缶を見せてもらえるか
- 希釈に使う水やシンナーの量について説明があるか
空き缶を残してもらうという方法
工事の前に「使った缶は最後にまとめて見せてください」と伝えておくと、確認の手間なく数が分かります。断る理由がない依頼なので、嫌がられた場合はその反応自体が判断材料になります。
よくある質問
膜厚は後から測れますか?
膜厚計という機器で測定できますが、一般の方が用意するものではありません。缶数からの逆算のほうが現実的です。
塗料を薄めるのは全部が手抜きですか?
違います。規定の希釈率の範囲で薄めるのは正しい作業です。気温や下地の状態に合わせて調整します。問題は規定を超えて薄める場合です。
量が足りないとどうなりますか?
膜が薄くなり、紫外線と雨に対する抵抗力が下がります。カタログ上10年の塗料が5〜7年で色あせる、という形で出ます。