なぜ反るのか
窯業系サイディングは、表面の塗膜で水を防いでいます。塗膜が劣化すると板が水を吸い、含水と乾燥を繰り返します。
板は表側と裏側で水の吸い方が違うため、膨張と収縮の量に差が出ます。これが反りになります。反りが出ている時点で、板そのものが水を吸っています。
釘留めとビス留め、そして金具留め
サイディングの留め方は、厚みによって変わります。
| 厚み | 一般的な留め方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 14mm未満 | 釘留め(表面から打つ) | 釘頭が露出。錆と、打ち込みすぎによる割れ |
| 14mm以上 | 金具留め(裏から引っ掛ける) | 表面に留め具が出ない。反りに強い |
釘留めの場合、釘頭の周囲から水が入ることがあります。釘頭が錆びている、へこんでいる、周囲が膨らんでいる場合は、そこから含水している可能性があります。
塗装で対応できる範囲
対応できる
- チョーキング、色あせ、塗膜の劣化
- 目地のシーリング切れ(打ち替え)
- 軽微な釘頭の錆(ケレンして錆止め)
- 板に反りが出ていない段階
塗装だけでは対応できない
- 板が反って、目地に段差ができている
- 板の端部が欠けている、割れている
- 叩くと中が空洞のような音がする(浮き)
- 板が明らかに膨らんでいる
これらは板の交換か、釘の増し打ち・ビスによる固定が必要です。反った板の上から塗装しても、反りは直りません。
部分交換という選択肢
サイディングは1枚単位で交換できます。ただし同じ柄の板が廃番になっていることが多く、近い柄を探すか、その面だけ色を変えるという判断になります。
塗装する場合は全体を同じ色にするため、交換した板の柄が違っても、塗ってしまえば目立たなくなります。交換と塗装を同時に行うほうが、仕上がりは揃います。
シーリングとの関係
窯業系サイディングで最初に傷むのは、板ではなく目地のシーリングです。シーリングが切れると、そこから板の小口(切断面)に水が入ります。小口は塗装されていないため、最も水を吸いやすい部分です。
つまりシーリングの劣化を放置すると、板の反りにつながります。外壁塗装より先に、シーリングだけ打ち替えるという判断が有効な場合があります。
現地で確認していること
板を叩いて音を聞く、目地に定規を当てて段差を測る、釘頭の状態を見る、小口が見える端部を確認する。写真だけでは反りの有無が分かりにくいため、このあたりは現地で確認させていただいています。
よくある質問
反ったサイディングを塗装したらどうなりますか?
反りは直りません。見た目はきれいになりますが、板が水を吸う状態は続くため、数年で同じ症状が出ます。
釘を打ち直せば直りますか?
反りが軽微なら、ビスで固定して押さえられることがあります。ただし既に板が傷んでいる場合、ビスを打つと割れます。
何年くらいで反りが出ますか?
シーリングが切れてから、水を吸う期間が数年続くと出始めます。築15〜20年で目地を一度も打ち替えていない場合は要注意です。