2つの工法の違い
密着工法
下地に直接ウレタンを塗り重ねる方法です。工程が少なく、単価も抑えられます。下地が乾いていることが前提の工法です。
通気緩衝工法
下地の上に通気層のあるシート(通気緩衝シート)を敷き、その上にウレタンを塗ります。屋上には脱気筒を設けて、下地に残っている水分の逃げ道を作ります。
下地が湿っていても施工でき、防水層が下地の動きに追従しやすくなります。そのぶん材料と手間が増えるため単価は上がります。
| 密着工法 | 通気緩衝工法 | |
|---|---|---|
| ㎡単価の相場(税抜) | 3,000〜5,500円 | 5,500〜8,000円 |
| 下地の含水 | 乾いていることが前提 | 湿っていても施工可 |
| 脱気筒 | 不要 | 必要(屋上の場合) |
| 向く場所 | ベランダなど小面積・新規 | 屋上・改修・下地に不安がある場合 |
密着工法で膨れが出る仕組み
コンクリートやモルタルの下地は、見た目が乾いていても内部に水分を含んでいます。その上に密着工法でウレタンを塗ると、水分が逃げ場を失います。
日射で下地の温度が上がると、内部の水分が水蒸気になって体積が増えます。行き場のない水蒸気が防水層を内側から押し上げる。これが膨れです。
膨れた部分は下地との縁が切れているため、歩いたときに割れて、そこから水が入ります。1〜3年で出ることもあります。
こういう場合は通気緩衝工法を検討します
- 既存の防水層を撤去せず、上から重ねる改修
- 雨漏りが既に出ていて、下地が水を含んでいる可能性がある
- 屋上・陸屋根で面積が広く、日射をまともに受ける
- 過去に密着工法で膨れが出た履歴がある
下地の含水はどう確認するか
高周波式の水分計を当てる方法があります。ただし数値だけで断定はできません。建物の履歴、雨漏りの有無、既存防水が何層重なっているか、前回いつ施工したかを合わせて判断します。
見た目が乾いているから密着でいい、という判断はできません。改修の場合は特に、既存を一部めくって下を見ることもあります。
見積書で確認すること
「ウレタン防水」とだけ書かれている見積書では、どちらの工法か分かりません。工法名、通気緩衝シートの有無、脱気筒の数量が書かれているか確認してください。金額差の理由が説明できない業者は、工法を決めずに見積もっている可能性があります。
よくある質問
ベランダでも通気緩衝工法が必要ですか?
面積が小さく下地が乾いていれば、密着工法で問題ないことがほとんどです。ただし既に雨漏りが出ている場合や、既存防水の上に重ねる場合は通気緩衝を検討します。
脱気筒は何個必要ですか?
一般に50〜100㎡あたり1個が目安とされています。屋根の形状と勾配によって位置を決めます。
密着工法で膨れたら保証されますか?
保証の範囲は契約によります。下地の含水が原因とされると免責になっている場合があるため、契約前に書面で確認してください。