外観が入居判断に与える影響
内見に来た入居希望者は、建物に入る前に外観を見ています。外壁の汚れ、色あせ、鉄部の錆は、管理状態の指標として読まれます。
設備を更新しても、外観が古びていれば印象は変わりません。逆に外装を整えるだけで、内見からの決定率が変わることがあります。
工事時期の考え方
| 判断軸 | 内容 |
|---|---|
| 建物の保全 | 劣化が進む前に手を入れる。遅れるほど補修範囲が広がる |
| 入居率 | 空室が増えてきたタイミングで外観を刷新する |
| 繁忙期の前 | 1〜3月の入居シーズン前に完了させる |
| 空室のタイミング | 退去が出た部屋がある時期のほうが、作業がしやすい |
| 修繕積立 | 計画的に積み立てて、まとまった時期に実施する |
戸建てと違い、「劣化したから直す」だけでなく「いつ直すと収益に効くか」という視点が入ります。
入居者への配慮
工事中も入居者は生活しています。クレームが出れば、退去につながることもあります。
- 事前告知。工期、作業時間、音が出る日を書面で配布する
- 養生の範囲。窓が開けられない期間を部屋ごとに伝える
- ベランダの私物。移動をお願いする期間と範囲を明示する
- 洗濯物。外干しできない期間を伝える
- 駐車場。足場と資材置き場の位置を調整する
- エアコン。室外機の養生方法。夏冬は特に配慮が要る
掲示と配布の両方を
エントランスへの掲示だけでは見ない入居者がいます。各戸のポストへの投函と併用するのが確実です。
当社は工事前の案内文を作成し、配布まで対応します。
賃貸物件で優先度が高い箇所
- 外部階段・廊下。鉄骨階段の錆は、落下事故につながる。最優先
- 手すり。錆による断面欠損は安全に直結
- ベランダの防水。階下への漏水はクレームになる
- シーリング。雨漏りの入口。室内への影響が大きい
- 外壁の汚れ。内見時の印象を左右する
階下への漏水は最も避けたい事態
ベランダの防水不良で階下の部屋に漏水すると、補修費用に加えて、入居者への補償、場合によっては退去と原状回復の問題になります。防水は予防的に手を入れる価値が最も高い部位です。
複数棟を所有している場合
同じオーナーが複数棟を持っている場合、まとめて発注することで条件が変わることがあります。
- 足場・材料の段取りをまとめられる
- 移動と段取りの回数が減る
- 同じ仕様で統一でき、管理しやすい
ただし建物ごとに必要な工事は違うため、それぞれ現地で確認したうえでの提案になります。
長期修繕計画
何年後に何をするかを、部位ごとに計画しておくと、突発的な出費を避けられます。
| 部位 | 周期の目安 |
|---|---|
| 外壁塗装 | 10〜15年 |
| 屋根塗装 | 10〜15年 |
| シーリング打ち替え | 10年前後 |
| ベランダ防水 | 10〜12年 |
| 鉄部塗装 | 5〜7年 |
| 給排水設備 | 20〜30年 |
オーナー様向けに、現況調査と計画のご提案をしています
1棟の外装を一通り点検し、いま必要なもの、数年以内に必要になるもの、まだ先でよいものを分けてご報告します。すぐに工事を受注することが目的ではありません。いつ、いくらかかるかが分かれば、資金計画が立てられます。
よくある質問
入居中でも工事できますか?
できます。事前告知と養生の範囲を丁寧に決めることで、クレームを抑えられます。
空室のうちにやったほうがいいですか?
外装工事は入居中でも可能です。ただしベランダの私物移動が不要な分、空室が多い時期のほうが進めやすい面はあります。
何棟からまとめられますか?
棟数に決まりはありません。距離が近く、工期をつなげられる条件であれば効率が上がります。