足場代は毎回かかる
塗り替えのたびに、足場を組む必要があります。この費用は塗料のグレードに関係なく発生します。
足場の相場は㎡600〜900円(税抜)。2階建て住宅で架面積266㎡なら、16〜24万円です。
つまり塗り替えの回数を減らせば、足場代の総額が減ります。
30年で比較する
考え方
30年間で何回塗り替えるかは、耐用年数で決まります。
- シリコン(10〜13年)→ 30年で2〜3回
- フッ素(15〜20年)→ 30年で1〜2回
- 無機(20〜25年)→ 30年で1回
回数が1回減れば、足場代が1回分浮きます。
ただしこれは建物を30年後も使い続ける前提です。売却や建て替えの予定があれば、判断は変わります。
耐用年数どおりにもたない場合
グレードだけでは決まりません
フッ素塗料を使っても、下塗り材が合っていなければ数年で剥がれます。塗布量が足りなければ、膜厚が確保できず早く劣化します。カタログの年数は、規定どおり施工された場合の値です。
高いグレードを選ぶほど、施工の質による差が大きくなります。
同時施工で回数を減らす
足場を組む機会は、塗装以外の工事にも使えます。
- 屋根塗装
- シーリングの打ち替え
- 雨樋の交換
- 破風・鼻隠しの補修
- 棟板金の交換
- ベランダの防水
- 外部階段・鉄部の塗装
- アンテナの撤去、太陽光パネルの点検
これらを別々の時期にやれば、そのたびに足場代がかかります。時期が近いものをまとめるのが、最も効く節約です。
部位ごとの周期を揃える
| 部位 | 周期の目安 | 揃え方 |
|---|---|---|
| 外壁塗装 | 10〜15年 | 基準にする |
| 屋根塗装 | 10〜15年 | 外壁と同時 |
| シーリング | 10年前後 | 外壁と同時に打ち替え |
| ベランダ防水 | 10〜12年 | 近ければ同時 |
| 鉄部 | 5〜7年 | 外壁の中間で1回、部分的に |
| 雨樋 | 20〜25年 | 2回に1回の外壁塗装時 |
先延ばしのコスト
塗り替えを遅らせれば、その分の支出は先送りできます。ただし下地の劣化は進みます。
- 塗膜が切れる
- 外壁材が水を吸う
- ひび割れ、反り、浮きが出る
- 下地補修の範囲が広がる
- 補修費が塗装費を上回る
- 最終的に外壁材の交換になる
5年先延ばしして、下地補修が20万円増えれば、待った意味がありません。
判断の順序
- この建物を、あと何年使うか
- その間に何回足場を組む想定か
- 各回の工事で、何をまとめるか
- そのうえで、塗料のグレードを選ぶ
20年後に売却予定なら、判断は変わります
30年住み続けるなら、高グレードで回数を減らす選択に意味があります。10年後に手放す予定なら、その間もてば十分ということもあります。建物の使い方を聞かないと、適切な提案はできません。現地調査では、そこもお聞きしています。
よくある質問
フッ素は元が取れますか?
建物を長く使う前提であれば、足場代の回数が減る分で差が縮まります。ただし施工の質が伴わなければ年数は出ません。
一番安く済ませる方法は?
足場を組む回数を減らすことです。塗料を安くするより、まとめて工事するほうが総額への影響は大きくなります。
外壁と屋根の時期がずれています
どちらかを前倒しして合わせるか、そのまま別々に行うかの判断になります。足場代と、前倒しによる無駄を比べます。