公共工事で決まっていること
国や自治体が発注する建築工事では、国土交通省が定める公共建築工事標準仕様書が適用されます。塗装工事についても、独立した章として仕様が定められています。
- 使用する塗料の規格(JIS番号など)
- 素地ごしらえ(下地処理)の方法と程度
- 塗り回数と、工程ごとの間隔時間
- ㎡あたりの塗付け量
- 施工できる気象条件
- 検査の方法
民間住宅工事との違い
| 公共工事 | 民間住宅工事 | |
|---|---|---|
| 仕様の根拠 | 標準仕様書・特記仕様書 | 業者の見積書 |
| 塗付け量 | ㎡あたりの数値が指定される | 記載がないことが多い |
| 工程間隔 | 時間が指定される | 現場判断 |
| 施工計画書 | 提出義務がある | 作らないことが多い |
| 検査 | 段階ごとに実施 | 完了時の目視のみが多い |
| 記録 | 写真管理の基準がある | 任意 |
民間工事に仕様書がないこと自体は、悪いことではありません。建物ごとに条件が違うため、現場で判断する余地が必要です。
問題は、判断の根拠が施主に見えないことです。何をどう塗るか決めるのが業者だけで、その内容が文書に残らない。
住宅の見積りに持ち込める考え方
公共工事で当たり前にやっていること
- 使用材料を、メーカー名・商品名・規格まで特定する
- ㎡あたりの数量を明示する
- 工程ごとに、何を確認するかを決めておく
- 見えなくなる部分を写真で記録する
これらは住宅工事でもできることです。やっていない業者が多いだけで、技術的な障壁はありません。
施工計画書という文書
公共工事では、着工前に施工計画書を提出します。工程、使用材料、安全管理、品質管理の方法を記した文書です。
住宅工事でここまで求めるのは現実的ではありませんが、「何を使って、どの順で、どう確認するか」を口頭でも説明できない業者は、計画を立てていない可能性があります。
写真管理
公共工事では、完成後に見えなくなる部分を写真で記録します。下地処理の状態、下塗りの完了、配筋、隠蔽部。後から確認できないものは、撮っておくしかないという考え方です。
住宅の外壁塗装でも、高圧洗浄後の状態、下地補修の前後、下塗り完了時の写真があれば、施主の方が工程を確認できます。
当社の考え方
代表は1級建築施工管理技士補・1級土木施工管理技士補です。公共工事で求められる水準の考え方を、住宅工事にも持ち込んでいます。見積書に材料と数量を記載するのは、その延長です。
よくある質問
住宅でも施工計画書を作ってもらえますか?
ご希望があれば、工程と使用材料をまとめた書面をお出しします。公共工事の様式そのままではなく、住宅向けに簡略化した形になります。
工程写真はもらえますか?
お出しします。高圧洗浄後、下地補修、下塗り完了など、完成後に見えなくなる箇所を中心に記録します。
公共工事の仕様のほうが厳しいですか?
工程や検査の手順は厳格です。ただし住宅は建物ごとの条件差が大きいため、一律の仕様がそのまま最適とは限りません。考え方を取り入れる、という形が現実的です。