まず面積を確認する
見積書の一番上で確認すべきは、金額ではなく外壁面積です。
同じ建物なのに、A社150㎡、B社180㎡と書かれていることがあります。計測方法の違い(開口部を引くかどうか)で差が出ますが、20%以上開きがあるなら、どちらかが実測していない可能性があります。
面積の目安
外壁面積は、延床面積 × 1.2〜1.4 が概算の目安とされています。延床30坪(約99㎡)なら、120〜140㎡程度。
これと大きく外れている場合は、根拠を聞いてください。
項目ごとの確認点
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 足場仮設 | ㎡単価と数量。架面積は(外周+8m)×高さ が概算の目安 |
| 高圧洗浄 | ㎡単価。面積が外壁面積と一致しているか |
| 下地補修 | ひび割れ補修の数量(m)と方法。「一式」でないか |
| シーリング | 打ち替えか増し打ちか。長さ(m)が書かれているか |
| 下塗り | メーカー名・商品名。2回塗りが必要な状態か |
| 中塗り・上塗り | メーカー名・商品名・塗布量または缶数 |
| 付帯部 | 部位ごとに分かれているか。「一式」でないか |
| 廃材処分 | 計上されているか |
| 諸経費 | 総額に対して何%か |
「一式」が多い見積書
「外壁塗装工事 一式 650,000円」。これでは何も比較できません。
一式が使われる正当な場面もあります。たとえば範囲が確定しない下地補修や、少額の雑工事です。しかし主要な工程が一式でまとめられている場合は、数量と単価を聞いてください。
聞いて出てこない、または「うちはそういう出し方をしていない」という返答であれば、その業者は数量を把握していない可能性があります。
安い見積書のどこを見るか
総額が安い理由は、だいたい次のどれかです。
- 塗料のグレードが低い。これは正当な差です。耐用年数が違うので、納得して選べば問題ありません。
- 工程が少ない。下塗りが1回、付帯部を塗らない、シーリングが増し打ち。これは仕様の差です。
- 数量が少ない。面積を小さく見積もっている。後から追加になる可能性があります。
- 塗布量を減らす前提。見積書からは読み取れません。缶数が書かれていれば逆算できます。
総額だけの比較が危ない理由
60万円のA社と85万円のB社を比べて、A社を選んだとします。A社が下塗り1回・付帯部なし・シーリング増し打ちで、B社が下塗り2回・付帯部あり・シーリング打ち替えだった場合、この25万円の差は「高い」のではなく「やることが違う」という差です。
同じ土俵に揃える方法
- 各社の外壁面積を確認する
- 主要項目を㎡単価に分解する(金額 ÷ 数量)
- 塗料の銘柄を調べて、耐用年数を揃える
- 含まれていない項目を洗い出す
- そのうえで総額を比べる
他社様の見積書を持ってきていただいても構いません
何がどう違うのかを、㎡単価に分解してご説明します。その結果、他社様のほうが妥当だと判断すればそう申し上げます。当社で工事をしていただくかどうかは、そのあとのご判断です。
よくある質問
見積書を他社に見せてもいいですか?
問題ありません。相見積もりは発注者の当然の権利です。ただし他社の見積書をそのまま値引き交渉の材料にすると、金額だけ下げて工程を減らされることがあります。
諸経費は何%が妥当ですか?
一般に総額の5〜15%程度とされています。ただし何が含まれるか(保険、運搬、廃材処分など)で幅があるため、内訳を聞いてください。
一番安い業者を選んで大丈夫ですか?
内容が同じなら問題ありません。同じ仕様で比較して安いのであれば、それは正当な差です。確認すべきは総額ではなく、何をやるかです。