モルタル外壁の構成
下から順に、こういう構造になっています。
- 構造体(柱・間柱)
- 下地板または防水紙(アスファルトフェルト)
- ラス。金網。モルタルを保持するための下地
- モルタル。セメントと砂を練ったもの。20mm前後の厚み
- 仕上げ材。吹き付け、リシン、スタッコ、塗装
ポイントはラスです。モルタルは自立しません。金網に絡ませることで壁として保持されています。
浮き・剥落が起きる仕組み
- 仕上げの塗膜が劣化し、ひび割れから水が入る
- モルタルが水を含む
- ラス(金網)が錆びる
- 錆は元の金属より体積が大きいため、周囲のモルタルを押し広げる
- モルタルとラスの間に隙間ができる(浮き)
- 浮いた部分が自重で落ちる(剥落)
剥落は事故になります
モルタルの塊が落下すれば、人にも車にも当たります。特に道路や隣地に面した壁では、管理責任の問題になります。浮きは、塗装の問題ではなく安全の問題です。
打診調査
浮きの有無は、叩いた音で分かります。
| 音 | 状態 |
|---|---|
| 硬く、詰まった音 | 密着している |
| 軽く、乾いた音(ポンポン) | 浮いている可能性 |
| 明らかに空洞の音 | 浮いている |
打診棒(先端に球の付いた棒)で壁面を転がし、音の変化を聞きます。見た目では分からない浮きが見つかることがあります。
足場があるときでないと、高い位置は調べられません。外壁塗装で足場を組むタイミングが、打診調査の機会でもあります。
補修の方法
アンカーピンニング工法
浮いた部分に穴を開け、エポキシ樹脂を注入してからアンカーピンを打ち込み、下地に固定する方法です。浮きの範囲が限定的な場合に使われます。
部分的な打ち直し
浮いた部分のモルタルをはつり取り、ラスの状態を確認してから、モルタルを塗り直します。
全面改修
浮きが広範囲に及んでいる場合、モルタルを全面撤去して下地からやり直すか、その上に金属サイディングを重ねる(カバー)という判断になります。
ひび割れとの関係
モルタルのひび割れは、乾燥収縮によるものと、建物の動きによるものがあります。
幅0.3mm未満のヘアクラックであれば、弾性のある下塗り材(微弾性フィラー)で対応できます。それ以上であれば、Uカットしてシーリングを充填します。
ひび割れを放置すると、そこから水が入ってラスが錆びます。浮きの前段階として、ひび割れの処理が重要になります。
モルタル外壁は塗装で保護する壁です
サイディングと違い、モルタル自体に防水性能はほとんどありません。表面の塗膜が防水層です。塗り替え周期を守ることが、そのまま構造を守ることになります。
よくある質問
うちの外壁がモルタルか分かりません
継ぎ目(目地)がなく、表面に吹き付けの模様がある場合はモルタルの可能性が高いです。現地で確認します。
浮きは塗装で直りますか?
直りません。塗装は表面の保護です。浮いている部分は、固定するか打ち直す必要があります。
打診調査は無料ですか?
現地調査の一環として、手の届く範囲は確認します。高所を含む全面の打診は足場が必要になるため、工事時に行います。