軒天の役割
- 屋根の裏側(野地板や垂木)を隠して見た目を整える
- 小屋裏への延焼を防ぐ(防火)
- 小屋裏の換気(有孔ボードの場合)
- 鳥や虫の侵入を防ぐ
このうち換気が重要です。軒天に小さな穴が開いた板(有孔ボード)が使われていることがあり、これは小屋裏の湿気を抜くためのものです。塗装で穴を塞いでしまうと、換気機能が失われます。
軒天に使われる材料
| 材料 | 特徴 |
|---|---|
| ケイ酸カルシウム板(ケイカル板) | 不燃材。現在の主流。吸水すると膨れる |
| 合板(ベニヤ) | 古い住宅。水に弱く、剥離しやすい |
| スラグせっこう板 | 不燃材。古い製品には石綿が含まれることがある |
| 金属(ガルバリウムなど) | 近年の住宅で使われる。腐食しにくい |
※ 2006年9月より前の建物では、軒天材に石綿が含まれている可能性があります。なお、改修工事の前の事前調査は、築年数にかかわらず必要です。
症状から原因を読む
| 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 茶色いシミ・輪状の跡 | 上から水が来ている。屋根、軒先、外壁との取り合い |
| 塗膜の剥がれ・膨れ | 吸水して下地が湿っている、または下塗り不足 |
| 板が垂れている・割れている | 下地まで傷んでいる。張り替えが必要 |
| 黒いカビ | 湿気がこもっている。換気不足の可能性 |
| 色あせだけ | 塗膜の劣化。塗装で対応できる |
シミがある軒天を塗装しても
水が来ている状態のまま塗装すると、数か月から1年でまた同じ場所にシミが出ます。原因を止めずに表面だけ塗っても、症状が隠れるだけです。軒天のシミは、雨漏りの初期症状であることがあります。
水が来る経路
- 軒先から。屋根材の先端、水切り金物の納まり
- 雨樋から。詰まってあふれた水が軒天に回る
- 外壁との取り合いから。壁と軒天の接する部分
- 屋根本体から。野地板を伝って軒先まで流れてくる
- ベランダから。2階ベランダの下が1階の軒天になっている場合
塗装で対応できる範囲
対応できる
色あせ、軽微な汚れ、塗膜の劣化のみ。下地が健全であれば、専用の下塗り材を塗ってから仕上げます。有孔ボードの場合は、穴を塞がないよう注意して塗ります。
張り替えが必要
板が垂れている、割れている、手で押すと沈む、広範囲に剥離している。これらは下地まで水が回っています。張り替えのうえ、水が入っていた経路を止める必要があります。
写真を撮るときは
軒天の写真は、真下から見上げて撮ってください。シミがある場合は、その位置が建物のどこか(何階のどの面か)も分かるように、引きの写真も一緒に撮っていただけると判断が早くなります。
よくある質問
軒天だけ塗り替えられますか?
できます。ただし高所のため足場か高所作業車が必要です。外壁塗装と同時に行うほうが効率的です。
有孔ボードの穴は塞いでいいですか?
塞がないでください。小屋裏の換気のための穴です。塞ぐと結露や木材の腐食につながります。
シミが薄いうちなら放置でいいですか?
原因が止まっていれば、シミは広がりません。広がっている場合は水が入り続けています。数か月空けて写真を比べると判断できます。