谷板金の役割
谷部には、二つの屋根面に降った雨がすべて集まります。その水を受けて軒先へ流すのが谷板金(谷樋)です。
屋根材の下に敷き込まれているため、屋根材を外さないと交換できません。ここが谷板金の扱いを難しくしています。
なぜ早く傷むのか
- 常に水が流れる。乾いている時間が短い
- 落ち葉や土砂が溜まりやすく、水が滞留する
- 溜まった堆積物が水分を保持し、腐食を進める
- 屋根面より低い位置にあり、点検されにくい
材質による寿命の差
| 材質 | 特徴 | 寿命の目安 |
|---|---|---|
| 銅板 | 古い住宅で使われた。緑青が出る | 20〜30年。酸性雨の影響で穴が開くことがある |
| ガルバリウム鋼板 | 現在の主流。耐食性が高い | 20〜30年 |
| ステンレス | 最も耐食性が高い。費用も高い | 30年以上 |
| トタン(亜鉛めっき鋼板) | 古い建物。錆びやすい | 10〜20年 |
銅板の谷に穴が開く
古い住宅では銅板の谷が使われていることがあります。銅は耐食性が高い金属ですが、屋根材から流れ落ちる水の成分と、長年の流水による摩耗でピンホール(小さな穴)が開くことがあります。穴が小さいため目視では見つけにくく、雨漏りの原因として見落とされがちです。
塗装では対応できない
谷板金は屋根材の下に入っているため、屋根塗装をしても谷の内部は塗れません。表面に見えている部分だけ塗っても、寿命は延びません。
錆が出ている、穴が開いている場合は交換になります。交換には谷まわりの屋根材を一度外す必要があるため、部分的な工事でも手間がかかります。
点検で見ること
- 落ち葉や土砂が溜まっていないか
- 錆の色が出ていないか
- 板金が波打っていないか(水の流れが乱れる)
- 谷の下の天井にシミがないか
- 軒先の谷の出口が詰まっていないか
屋根に上がれない場合、2階の窓から谷が見えることがあります。見える範囲だけでも写真を撮っておくと、判断の材料になります。
屋根塗装の見積り時に確認しておくこと
塗装の足場がある間なら、谷板金の状態も確認できます。「谷は見ましたか」と聞いてみてください。見ていれば状態を説明できるはずです。塗装だけ済ませて、数年後に谷から雨漏りする、というのは避けたい流れです。
よくある質問
谷板金だけ交換できますか?
できます。谷まわりの屋根材を外して交換し、元に戻します。屋根全体の葺き替えより範囲は限定されます。
落ち葉が溜まるので掃除したい
屋根に上がるのは危険です。特に谷部は水が流れて滑りやすい場所です。足場のある工事の際にまとめて清掃するか、ご相談ください。
谷のない屋根のほうがいいですか?
谷がない単純な切妻屋根のほうが雨漏りのリスクは低くなります。ただし既存の建物の形を変える話になるため、現実的には谷の点検と適切な時期の交換で対応します。