塗料の構成
塗料は主に4つの成分でできています。
- 樹脂。塗膜を作る主成分。耐候性を決める
- 顔料。色を出す。チョーキングで白く出るのがこれ
- 添加剤。防カビ、増粘、消泡など
- 溶剤(または水)。塗るために薄める。乾くと抜ける
このうち樹脂の種類が、そのままグレードの呼び名になっています。
樹脂の種類と特徴
| 樹脂 | 耐用年数の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| アクリル | 5〜8年 | 安価。現在、外壁の主流ではない |
| ウレタン | 8〜10年 | 密着性が高い。付帯部や鉄部で使われる |
| シリコン | 10〜13年 | 費用と耐久のバランス。住宅で最も多い |
| ラジカル制御型 | 12〜15年 | チョーキングの原因を抑える技術。シリコン系の改良 |
| フッ素 | 15〜20年 | 耐候性が高い。次の足場代まで含めると割安になる場合も |
| 無機 | 20〜25年 | 最も耐久性が高い。初期費用は上がる |
ラジカル制御型とは
チョーキングは、顔料(主に酸化チタン)が紫外線を受けたときに発生するラジカルという物質が、樹脂を分解することで起きます。
ラジカル制御型の塗料は、酸化チタンの表面を覆ったり、ラジカルを捕まえる添加剤を加えることで、樹脂の分解を遅らせています。
位置づけとしては、シリコンとフッ素の間。シリコンに近い価格で、より長い耐候性を狙う選択肢です。
無機塗料の注意点
「無機100%」の塗料はありません
無機物(ガラスやセラミック)だけでは塗膜が硬くなりすぎて、建物の動きに追従できず割れます。そのため実際の無機塗料は、無機成分と有機樹脂を組み合わせたハイブリッドです。無機成分の比率は製品によって違います。
水性と溶剤
| 水性 | 溶剤(弱溶剤) | |
|---|---|---|
| 希釈 | 水 | 専用シンナー |
| 臭い | 少ない | ある |
| 密着 | 下地を選ぶ | 幅広い素材に対応 |
| 主な用途 | 住宅の外壁 | 鉄部、密着が厳しい素材 |
近年の水性塗料は性能が向上しており、住宅の外壁では水性が主流になっています。臭いが少ないのは、居住しながらの工事では利点です。
選び方の考え方
次に足場を組むのは何年後か
塗料の価格差は、単体で見ると大きく感じます。しかし足場代は塗料のグレードにかかわらず同じです。
シリコンで10年ごとに3回塗り替えるのと、フッ素で15年ごとに2回塗り替えるのでは、足場を組む回数が違います。30年で見ると逆転することがあります。
見積書で確認すること
「シリコン塗料」という呼び方だけでは、製品が特定できません。メーカー名と商品名が書かれていれば、そのメーカーのサイトで樹脂の種類と耐用年数を確認できます。当社は見積書に商品名まで記載します。
よくある質問
一番いい塗料はどれですか?
建物と予算によります。次に塗り替える時期をいつと考えるか、そのとき足場をどうするかで判断が変わります。
安い塗料だとすぐ剥がれますか?
グレードと剥がれは別の問題です。剥がれるのは下地処理や下塗りの問題であることがほとんどです。グレードが影響するのは色あせやチョーキングの早さです。
同じシリコンでも価格差があるのはなぜですか?
樹脂の質、顔料、添加剤が違います。また1液型と2液型でも変わります。商品名で比較してください。