取り合いとは
性質の違う部位がぶつかる部分を「取り合い」といいます。屋根と外壁、外壁とサッシ、ベランダと外壁。雨漏りの多くは、この取り合いで起きます。
理由は単純で、一枚の面であれば水は流れて落ちるだけですが、ぶつかる部分には必ず継ぎ目ができるからです。
雨押え板金の役割
下屋と外壁の取り合いには、雨押え(あまおさえ)板金が入ります。屋根面から外壁へ立ち上げて、水が壁側へ入らないようにする金物です。
重要なのは立ち上がりの高さです。低いと、吹き込んだ雨や、屋根面を流れる水が越えてきます。一般に十分な高さを確保することが求められますが、既存の建物では不足していることがあります。
水が入る箇所
- 雨押え板金の立ち上がり不足。水が越える
- 板金と外壁の取り合いのシーリング切れ。板金の上端と外壁の間を塞いでいるシーリングが劣化する
- 壁止まり部。軒先や谷が外壁にぶつかる端部。最も水が集まる納まりです
- 外壁材の下端。サイディングやモルタルの端部から吸水する
- 板金の継ぎ目。長い取り合いでは板金を継いでいます
壁止まり部は特に難しい納まり
屋根の谷や軒先が、途中で外壁にぶつかって終わる箇所を壁止まりといいます。ここは水が集まる場所と、水が入りやすい継ぎ目が重なる最悪の組み合わせです。雨漏りの調査では、真っ先に確認する箇所のひとつです。
症状の出かた
| 室内の症状 | 確認する箇所 |
|---|---|
| 1階の天井(下屋の下)にシミ | 雨押え板金、屋根材の割れ |
| 2階の壁の下部が濡れる | 板金と外壁のシーリング、立ち上がり不足 |
| 下屋の上の外壁が変色 | 外壁材が水を吸っている |
| 風を伴う雨のときだけ出る | 立ち上がり不足の可能性が高い |
対応の選択肢
- シーリングの打ち替え。板金と外壁の取り合いを打ち直す。最小限の対応
- 雨押え板金の交換。立ち上がりを確保した板金に替える。外壁を一部めくる必要があることも
- 外壁側の改修。外壁材の下端を切り上げて、板金を適切に納める
- 屋根の葺き替えと同時。下屋を葺き替える際に、取り合いも作り直す
どこまで手を入れるかは、症状の程度と、他の部位の劣化状況を合わせて判断します。
塗装工事のときに確認できます
外壁塗装で足場を組んだとき、下屋の上に乗って取り合いを確認できます。足場があるときにしか見られない箇所なので、塗装の機会に見ておく価値があります。「下屋の取り合いは見ましたか」と聞いてみてください。
よくある質問
下屋の上に乗って確認できますか?
勾配が緩ければ乗れますが、滑落の危険があります。ご自身では上がらないでください。2階の窓から見える場合もあります。
雨押え板金だけ交換できますか?
できます。ただし外壁材の下端に差し込まれているため、外壁を一部めくる必要があることがあります。範囲は現地で確認します。
築何年くらいで問題が出ますか?
シーリングは5〜10年で切れます。板金そのものは長持ちしますが、取り合いのシーリングが最初に劣化します。